大分市星和台にある鍼灸院「おおさこ鍼灸接骨院」です。
気づけば、今週は2月最終週ですね。
2月は、やはり早い!そして寒い(笑)

※先日の往診中の風景です。九州でも積雪がちゃんとあるから困ります。

先週は受験を控えた方,受験生を支える側の方々にとって、
時間が本当に貴重だという事を書きましたが
3月に入れば卒業シーズンが直ぐに始まり…
本当に春が来て温かくなるのかな?!と思っていたら、
直ぐに夏になるんだろうな…と勝手に妄想しています。(笑)
喉元過ぎれば熱さを忘れるというやつで
いまの苦労・辛さが、皆さんにとって振り返れば良い思い出だったと思えることを願っています。

さてさて、今回は【肩関節周囲炎、関節唇の痛み】についてです。
【肩関節周囲炎】
肩関節周囲炎とは、俗にいう“五十肩”“四十肩”の正式名です。
特別な原因がないが、50歳前後で起こる運動制限を伴った肩関節の症候群です。
原因が不明であっても、肩関節周囲組織の退行性変化を主として
過度の使用で慢性的な小外傷を繰り返した結果的に
・炎症による肩関節包の肥厚、短縮
・関節包の癒着
が生じたことが予測できる。
※合併しておこる肩周囲の炎症は様々で
・肩峰下滑液包炎
・回旋腱板(ローテーターカフ)
・上腕二頭筋長頭腱炎
・石灰性腱板炎
・関節唇損傷
…などなどがあり、関節包だけでなく広い視野での施術が必要になります。
『一般的な症状』
@急性期 → 2〜4週間
・激しい痛みが出現しており、炎症反応が顕著。
・動作の度に激痛で動作制限が著明
A拘縮期 → 6〜12ケ月
・関節可動域が制限され日常生活での支障が出ている時期
・可動域を越えた運動後は夜間痛が出やすい
B回復期
・徐々に可動域が広がり、日常生活がしやすくなる
・運動痛や夜間痛も減少する
※持病、ライフスタイルなどにより個人差が大きく自然治癒する場合もあれば
関節拘縮が残る場合もあり、マニュアル通りでは上手くいかない事が多い。
※五十肩の症状と類似した症例『肩甲上神経障害』
『症状』
肩甲上神経の神経支配されてる棘上筋・棘下筋の萎縮
肩関節の動作に伴う痛み、動作制限(肩が挙がらない、五十肩に似た病態)
・肩甲上神経の場所
肩甲上神経は、
頚椎の5・6番目の神経 ⇒ 腕神経叢 ⇒ 肩甲上神経
と、いった感じで分岐を繰り返して出来た神経になります。
※絞扼されやすいポイント
⇒肩甲上切痕と棘窩切痕部分が多く
上肩甲横靭帯・下肩甲横靭帯の部分に
ガングリオン,靭帯の肥大での神経圧迫も多いです。
五十肩と合併する事が多い
【インピジメント症候群】
インピジメント = (意味)衝突
という意味になります。
『症状』
・睡眠時や夜間の痛みがある
・限定的な動きで痛みが出る
・痛いけど動かせるが、中途半端な角度での痛みが出る
・特に肩の前側〜外側が痛む
『原因』
・肩峰下面や烏口肩峰靭帯での衝突が起き、その結果腱板炎や肩峰下滑液包炎が起こる
※上記と逆パターンで、オーバーユースや肩関節の不安定性が起き
→腱板炎や滑液包炎が起こり
→本来腱板がスムーズに通る部分で衝突が起きて
(肩峰下面や烏口肩峰靭帯の下部分=第二肩関節)
→インピジメント症候群になる

『鑑別について』
インピジメント症候群は、レントゲン撮影画像では診断が難しいために
患者さんの訴えや肩関節の動き,筋力や可動域などをチェックし鑑別する事が主になります。
腱板断裂 → 全く動かない、筋力の低下
インピジメント症候群 → 筋力低下は無い、動く範囲での痛みが限定的
五十肩 → 他人が手伝って肩を動かす事ができない、肩の可動域自体が狭まる
インピジメント症候群 → 他人の補助で動かせる、可動域は一部制限がかかる(または可動域は正常)
石灰沈着 → 痛み方は似ているが、レントゲンで石灰が映る
インピジメント症候群 → レントゲンでは正常
という風に、似ているようで実は全く違うものになったりと
なかなか自己判断では難しいケガになります。

【肩関節関節唇(SLAP損傷)の痛み】
SLAP損傷は、肩の“関節唇”と言われる関節の軟部組織損傷になります。
そもそも“SLAP損傷”とは
→ 上腕二頭筋長頭腱を含む、上腕上方関節唇の損傷
『原因』
・投球動作などの繰り返し動作
・転んだ際。転ぶ際に手を突いて体を支えた時
(てこの原理,介達外力により関節が損傷)
が、大まかな原因になります。
※関節唇の役割
肩関節は元々、凹凸バランスが悪く
(上腕骨頭)3:(関節窩)1の割合で構成され
凹凸バランスが悪い。
そこで関節唇の役割として
関節唇 = 関節窩の深さを補うための存在
深さを関節唇が補うことで、関節の安定や脱臼せずに可動域を広げる事ができています。
また、関節唇は繊維軟骨性のもので、
上部 → 弾性
下部 → 非弾性
という、部分によって性質が違うために損傷損傷パターンも違ってくる。
『損傷の度合い分類』
→段階的に4分類
type1:
・上方関節唇の変性を伴い毛羽立ちする
・上方関節唇を含む、上腕二頭筋腱起始部の剥離が無い
・肩関節の外転、外旋位での水平過伸展強制(=投球フォーム)の原因
type2
・上方関節唇、上腕二頭筋長頭腱付着部分が肩甲骨頚部から剥離
・type1と同様の牽引ストレスの反復で起きる
・転倒などにより肩関節外転位で地面を突いた際に起こる
type3
・上方関節唇がバケツ柄様断裂
・反復性肩関節脱臼に伴うことが多い
type4
・上腕二頭筋長頭腱の縦断裂、上方関節唇の断裂
・腱板断裂も伴いやすい

『基本的な治療内容』
※肩関節の状態、持病、ライフスタイル…など肩関節を取り巻くものが多すぎて
施術する内容は十人十色になります。
・肩関節局所、滑液包炎などの炎症反応を軽減させる
・可動域訓練の運動、ストレッチ
・不安定性の(肩関節の)動きを改善
・肩関節筋力を向上する運動療法
(少し痛む部分から離れた、肩甲骨や胸郭など動作訓練も同時に)
(※衝突が起きてる部分の拡張する意味ではなく、腕と肩甲骨の動きは連動しているので
動作のしやすさに貢献できます)
**********************************
【おおさこ鍼灸接骨院】
〜大分市鴛野の鍼灸接骨院〜
事前に電話・メールでのお問い合わせをお願いします。
(予約優先)


(急性腰痛,寝違い,坐骨神経痛,肉離れ、足首捻挫などのケガ治療
交通事故・持病の併用鍼灸施術なども気軽に電話・メールからの御相談どうぞ!)
**********************************